大井川小倉の山のほととぎす
井堰に声のとまらましかば
- 歌の意味
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大井川に臨む小倉山のほととぎすよ、川の水をせき止める井堰に、その声もとどまってくれたらよいのに。
- 鑑賞
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夏歌 191
詞書は前の歌に続き「郭公歌五首よみけるに」
ほととぎすの歌五首の四首目である。大井川に臨む小倉山で鳴くほととぎすの声が、すぐに過ぎ去ってしまうのを惜しみ、川の流れをせき止める井堰に、その声もせき止められてとどまってくれたらよいのに、と願う。
「ましかば」で言いさした形で終わっており、その後に続く、どんなにうれしいだろう、という思いを言外に残している。大井川と小倉山はともに嵯峨の歌枕であり、井堰は大井川の名物でもあった。
初句「大井川」は、京の西、嵯峨の嵐山のふもとを流れる川で、歌枕である。
二句「小倉の山の」は、大井川を挟んで嵐山と向かい合う小倉山で、これも歌枕である。
三句「ほととぎす」は、小倉山で鳴くほととぎすを指す。
四句「井堰に声の」の「井堰」は、水を引くために川をせき止めた所で、大井川に設けられた井堰を踏まえている。川の水をせき止めるように声もとどめたいという発想である。
結句「とまらましかば」の「ましか」は反実仮想の助動詞「まし」の未然形で、「ば」が付いて、とどまってくれたなら、という仮定を表す。帰結を言わずに言いさしており、余情を残している。
ゐせき:田に水を引くために川の流れをせき止めた所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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聞き送る心を具してほととぎす 高間の山の峰越えぬなり
- 次の歌
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ほととぎすその後越えん山路にも 語らふ声は変はらざらなん