ほととぎすその後越えん山路にも
語らふ声は変はらざらなん
- 歌の意味
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ほととぎすよ、この後に越えて行く山路でも、こうして親しく語りかけてくる声は変わらないでいてほしい。
- 鑑賞
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夏歌 192
詞書は前の歌に続き「郭公歌五首よみけるに」
ほととぎすの歌五首の結びの一首である。いまこうして親しく鳴きかけてくるほととぎすの声が、この先に越えて行く山路でも変わらずに聞こえてほしい、と願う。ほととぎすの声を、旅の道連れのように親しく思う心が表れている。
五首は、声を聞けずに山路をたどる歌に始まり、聞き飽きない思い、遠ざかる声を見送る思い、声をとどめたい願いを経て、この先の山路でも変わらぬ声を願う歌で結ばれている。一首目と五首目がともに山路を詠んでおり、五首が山路で始まり山路で終わる形になっている。
初句「ほととぎす」は、呼びかけの形で示されている。
二句「その後越えん」は、この後に越えて行くであろう、の意で、「ん」は推量の助動詞「む」の連体形である。
三句「山路にも」は、ほかの山路においても、の意で、五首の一首目の結句「山路なりせば」と同じ語を用い、五首の始めと終わりを呼応させている。
四句「語らふ声は」の「語らふ」は、親しく話しかけることで、ほととぎすが鳴くことにも用いられる。
結句「変はらざらなん」の「なん」は他にあつらえ望む終助詞で、変わらないでほしい、という願いを表して結ぶ。
かたらふ:親しく話し合う、ほととぎすが鳴くことにもいう
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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大井川小倉の山のほととぎす 井堰に声のとまらましかば
- 次の歌
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郭公思ひも分かぬ一声を 聞きつといかが人に語らん