- 歌の意味
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ほととぎすの、聞いたとも聞かなかったとも判断のつかないほどのたった一声を、聞いたなどとどうして人に語れようか。
- 鑑賞
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夏歌 193
詞書「ほととぎすを」
詞書「ほととぎすを」の題で詠まれた歌である。ほととぎすの声を一声だけ聞いたものの、あまりにかすかで確かに聞いたとも言い切れない。そんな一声を、聞いたと人に話すことなどどうしてできようか、と詠む。初音を聞いたと人に語りたい気持ちと、確かめきれないもどかしさとが入り混じっている。
本巻の第百七十九首では無言の行のために初音を人に語れないことを嘆いたが、この歌では声のかすかさゆえに語れないことを嘆いており、ほととぎすの声を人に語るという同じ趣向を別の事情から詠んでいる。
初句「郭公」は、一声を聞かせた鳥として示されている。
二句「思ひも分かぬ」は、聞いたのかどうか判断もつかない、の意である。
三句「一声を」は、ほんの一度だけの鳴き声をいう。
四句「聞きつといかが」の「つ」は完了の助動詞で、聞いたと、の意である。「いかが」は反語を表し、結句へ続く。
結句「人に語らん」は、四句の「いかが」と呼応して、どうして人に語れようか、いや語れない、という反語となって結ぶ。
おもひわく:判断する、区別して考える
ひとこゑ:一度だけの鳴き声
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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ほととぎすその後越えん山路にも 語らふ声は変はらざらなん
- 次の歌
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ほととぎすいかばかりなる契りにて 心尽くさで人の聞くらん