ほととぎすいかばかりなる契りにて
心尽くさで人の聞くらん
- 歌の意味
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ほととぎすの声を、どれほどの深い縁があって、あの人は心を尽くして待つこともなく聞いているのだろうか。
- 鑑賞
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夏歌 194
詞書は前の歌に続き「ほととぎすを」
「ほととぎすを」の題の二首目である。自分はほととぎすを待って心を尽くしても聞けないのに、ほかの人は苦労もせずにその声を聞いているらしい。いったいどれほどの深い縁があってそうなのだろうか、とうらやむ心を詠んでいる。
本巻の第百八十四首でほととぎすが待つ心ばかり尽くさせると嘆いたのと対照的に、ここでは心を尽くさずに聞く人の側を見つめており、待つ者と待たずに聞く者とが対比されている。
初句「ほととぎす」は、その声を人が聞く鳥として示されている。
二句「いかばかりなる」は、どれほどの、の意で、程度を問う。
三句「契りにて」の「契り」は、前世からの因縁、宿縁をいう。仏教的な縁の考え方が表れている。
四句「心尽くさで」の「で」は打消の接続助詞で、心を尽くして待つこともなく、の意である。第百八十四首の三句「尽くさせて」と対をなしている。
結句「人の聞くらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、二句の「いかばかり」と呼応して、どうして聞いているのだろう、と原因を推し量っている。
ちぎり:前世からの因縁、宿縁
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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郭公思ひも分かぬ一声を 聞きつといかが人に語らん
- 次の歌
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語らひしその夜の声はほととぎす いかなる世にも忘れんものか