語らひしその夜の声はほととぎす
いかなる世にも忘れんものか
- 歌の意味
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親しく語りかけてくれたあの夜の声は、ほととぎすよ、どのような世になっても忘れることがあろうか、いや決して忘れはしない。
- 鑑賞
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夏歌 195
詞書は前の歌に続き「ほととぎすを」
「ほととぎすを」の題の三首目である。あの夜、ほととぎすが親しく鳴きかけてくれた声は、この先どのような世になろうとも決して忘れはしない、と詠む。一夜の声を生涯にわたって心にとどめようとする、深い愛着が表れている。
「その夜」と「いかなる世」とで、同じ「よ」の音を一夜と生涯とに用い、一夜の声を長い時の中に置いている。前歌が人の聞く縁をうらやんだのに対し、この歌では自分が聞いた一夜の声を大切に抱き続けている。
初句「語らひし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、親しく鳴きかけてくれた、という過去の体験をいう。
二句「その夜の声は」は、ほととぎすを聞いたあの一夜の声を指す。
三句「ほととぎす」は、呼びかけの形で示されている。
四句「いかなる世にも」は、どのような世においても、の意で、二句の「夜」と同じ音の「世」を用いて、一夜と生涯とを対比させている。
結句「忘れんものか」の「ものか」は反語を表し、忘れることがあろうか、いや決して忘れない、と強く言い切って結ぶ。
かたらふ:親しく話し合う、ほととぎすが鳴くことにもいう
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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ほととぎすいかばかりなる契りにて 心尽くさで人の聞くらん
- 次の歌
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ほととぎす花橘は匂ふとも 身をうの花の垣根忘れな