- 歌の意味
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広瀬川の渡し場の沖に立つ澪標を見ると、水かさが深くなっていることがわかる五月雨の頃であることよ。
- 鑑賞
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夏歌 217
詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
十五首の三首目である。広瀬川の渡し場の沖に立てられた澪標が水に深く沈んでいるのを見て、五月雨で水かさが増したことを知る、と詠む。舟の通る水路を示す目印を手がかりに増水をとらえている。
本巻の第二百八首が宇治橋の蜘蛛手にかかる波から増水を推し量ったのと同じく、川の中の構造物を手がかりに水かさをとらえる趣向である。
初句「広瀬川」は、大和国の歌枕で、大和川の上流にあたる。
二句「渡りの沖の」の「渡り」は渡し場をいい、「沖」は岸から離れた川の中ほどを指す。
三句「澪標」は、舟の通る水脈を示すために立てた杭をいう。体言で示したこの澪標が、四句の水かさの深さを知る手がかりとなっている。
四句「水嵩ぞ深き」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「深き」で結ぶ係り結びで、水かさの深さを強調している。
結句「五月雨の頃」は体言止めで、五月雨の歌群に共通する結句で結ぶ。
みをしるし:舟の通る水脈を示すために立てた杭、澪標
わたり:川などを渡る所、渡し場
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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水無瀬川遠の通ひ路水満ちて 舟渡りする五月雨の頃
- 次の歌
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早瀬川綱手の岸を沖に見て 上りわづらふ五月雨の頃