- 歌の意味
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舟をとどめておいた港の芦の間に棹を立てて、舟人たちは心ゆくまでのんびりしていることだろう、この五月雨の頃は。
- 鑑賞
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夏歌 220
詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
十五首の六首目である。五月雨で漁に出られない間、港の芦の間に舟をとめ、棹を立ててつないでおいて、舟人たちは心ゆくまでのんびりと過ごしているのだろう、と思いやる歌である。
本巻の第二百十五首の海人が仕事を止められて煙も立てられないと詠まれたのに対し、この歌では長雨に舟を休める舟人の心のゆとりを推し量っており、同じ長雨の中の水辺の人々を別の面からとらえている。
初句「船据ゑし」の「据ゑ」は、舟をとどめて置くことをいい、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
二句「港の芦間」は、港に生える芦の茂みの間をいう。
三句「棹立てて」は、棹を水底に立てて舟をつなぎとめることをいう。
四句「心ゆくらん」の「心ゆく」は、心が満ち足りる、気が晴れる、の意で、「らん」は現在推量の助動詞である。
結句「五月雨の頃」は体言止めで、五月雨の歌群に共通する結句で結ぶ。
すう:物をある場所に置いてとどめる
あしま:芦の茂みの間
こころゆく:心が満ち足りる、気が晴れる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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水分くる難波堀江のなかりせば いかにかせまし五月雨の頃
- 次の歌
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水底に敷かれにけりなさみだれて 水の真菰を刈りに来たれば