水底に敷かれにけりなさみだれて
水の真菰を刈りに来たれば
- 歌の意味
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水の中の真菰を刈りに来てみると、五月雨で乱れて、真菰は水の底に敷き伏せられてしまっていたことよ。
- 鑑賞
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夏歌 221
詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
十五首の七首目である。真菰を刈りに水辺へ来てみると、五月雨で水かさが増し、真菰は乱れ伏して水の底に敷かれたようになってしまっていた、と詠む。
本巻の第二百七首では岩間の真菰を刈りかねて手ぶらで過ごすと詠んだが、この歌では刈りに来た真菰が水底に沈んでいたことを詠み、同じ真菰刈りを別の場面から描いている。
初句「水底に」は、水の底に、の意である。
二句「敷かれにけりな」の「敷かれ」は、草などが倒れて一面に広がることをいい、「にけり」で気づきを、「な」で詠嘆を表す。二句切れで、下の句と倒置になっている。
三句「さみだれて」は掛詞で、「五月雨」と、乱れる意の「さ乱れ」とを掛け、五月雨で真菰が乱れ伏したさまを表している。
四句「水の真菰を」は、水中に生える真菰をいう。
結句「刈りに来たれば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、刈りに来てみると、の意となり、二句の発見の場面を示している。
しく:一面に広げて敷く、倒れて広がる
さみだる:五月雨の意と、乱れる意の「さ乱る」とを掛ける
まこも:水辺に生えるイネ科の草、刈って筵などにした
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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船据ゑし港の芦間棹立てて 心ゆくらん五月雨の頃
- 次の歌
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五月雨のをやむ晴れ間のなからめや 水のかさ干せ真菰刈る舟