五月雨のをやむ晴れ間のなからめや
水のかさ干せ真菰刈る舟
- 歌の意味
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五月雨が小やみになる晴れ間がないことがあろうか、いや必ずあるだろう。その時には水かさも引かせ、笠も干すがよい、真菰を刈る舟よ。
- 鑑賞
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夏歌 222
詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
十五首の八首目である。五月雨とはいえ、小やみになる晴れ間がないはずはない。その晴れ間には水かさも引き、濡れた笠も干せるだろうから、真菰を刈る舟人よ、それを待つがよい、と呼びかける歌である。
前歌が真菰の水底に沈んだ様子を詠んだのを受け、この歌では晴れ間を待って真菰を刈るよう舟人を励ましており、長雨の中にも晴れ間への期待が詠まれている。
初句「五月雨の」は、二句の「をやむ晴れ間」にかかる。
二句「をやむ晴れ間の」の「をやむ」は、雨が少しの間やむことをいう。
三句「なからめや」の「め」は推量の助動詞「む」の已然形で、「や」は反語を表し、ないことがあろうか、いや必ずある、の意となる。三句切れである。
四句「水のかさ干せ」の「かさ」は掛詞で、水の量をいう「嵩」と、舟人がかぶる「笠」とを掛けている。命令形の「干せ」が、水嵩を干上がらせよ、濡れた笠を干せ、の両意を担っている。
結句「真菰刈る舟」は体言止めで、呼びかけの相手である真菰刈りの舟を示して結ぶ。
をやむ:雨などが少しの間やむ
かさ:水の量をいう「嵩」と、頭にかぶる「笠」とを掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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水底に敷かれにけりなさみだれて 水の真菰を刈りに来たれば
- 次の歌
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五月雨に佐野の舟橋浮きぬれば 乗りてぞ人はさし渡るらん