- 歌の意味
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五月雨の頃は、山あいの田の畦から落ちる水が、いくつもの滝枕となって、段々に重なり合って落ちていることよ。
- 鑑賞
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夏歌 227
詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
十五首の十三首目である。五月雨で山あいの棚田に水があふれ、畦から畦へと落ちる水がいくつもの小さな滝となって、段々に重なり合って落ちていく、と詠む。段をなす山田の地形を、滝枕を重ねるという表現でとらえている。
本巻の第二百十三首が五月雨に畦の土が洗い越される田を案じたのに対し、この歌では畦を越えて落ちる水をいくつもの滝と見て、景のおもしろさに目を向けている。
初句「五月雨は」は、五月雨の頃は、の意である。
二句「山田の畦の」の「山田」は山あいに開いた田で、段々に重なる棚田を思わせる。
三句「滝枕」は、滝の水が落ちかかる石や、水が段をなして落ちる所をいう。畦から落ちる水を小さな滝に見立てている。
四句「数を重ねて」は、いくつも重なり合って、の意で、段々に続く田の畦を表す。
結句「落つるなりけり」の「なりけり」は、そうであったと気づいた詠嘆を表し、水の落ちる景を見定めて結んでいる。
やまだ:山あいに開いた田
たきまくら:滝の水が落ちかかる石、また水が段をなして落ちる所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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五月雨は行くべき道のあてもなし 小笹が原もうきに流れて
- 次の歌
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川端の淀みに止まる流れ木の 浮橋渡す五月雨の頃