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川端の淀みに止まる流れ木の
浮橋渡す五月雨の頃

歌の意味
川辺の淀みに流れついて止まった流木が、まるで浮橋を渡したようになっている五月雨の頃であることよ。
鑑賞
夏歌 228

詞書は前の歌に続き「ある所に五月雨の歌十五首よみ侍りしに、人にかはりて」
 十五首の十四首目である。五月雨の増水で川上から流れてきた木が、川端の淀みにたまって並び、まるで水の上に浮橋を架け渡したように見える、と詠む。
 本巻の第二百二十三首が、浮き上がった舟橋に人が乗って渡ると詠んだのに対し、この歌では流木が自然に浮橋を作っており、橋をめぐる趣向が反転している。

 初句「川端の」は、川のほとり、川辺をいう。
 二句「淀みに止まる」は、流れがゆるやかでよどんだ所に流れついて止まることをいう。
 三句「流れ木の」は、水に流されてきた木、流木をいう。
 四句「浮橋渡す」の「浮橋」は、舟や筏を並べて水上に架けた橋をいい、流木が並ぶさまをそれに見立てている。
 結句「五月雨の頃」は体言止めで、五月雨の歌群に共通する結句で結ぶ。

よどみ:水の流れがゆるやかでよどんでいる所
ながれぎ:水に流されてきた木、流木
うきはし:舟や筏を並べて水上に架けた橋
作者
西行
出典
山家集
前の歌
五月雨は山田の畦の滝枕 数を重ねて落つるなりけり
次の歌
思はずにあな釣りにくき小川かな 五月の雨に水まさりつつ