- 歌の意味
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夏の夜でも、小笹の原には霜が降りているように見える。月の光が冷たく冴えわたっているので。
- 鑑賞
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夏歌 245
詞書「夏月歌よみけるに」
詞書から、夏の月の歌を詠んだ時の一首であることがわかる。夏の夜であるのに、小笹の原が真っ白に霜が降りたように見える。それは月の光が冷たく冴えわたっているからだ、と詠む。白く照らす月光を霜に見立てた歌である。
月光を霜に見立てるのは冬の景を思わせる趣向で、夏の夜に冬の霜を見るという季節のずれに涼しさが込められている。本巻の第二百四十二首で夏の海辺の月が秋と競うと詠んだのに続き、この歌では夏の月が冬の霜を思わせており、夏の月に他の季節を見る趣向が重なっている。
初句「夏の夜も」の「も」は、夏の夜であっても、の意を表す。
二句「小笹が原に」は、小さな笹の生えた原をいう。
三句「霜ぞ置く」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「置く」で結ぶ係り結びで、霜が降りている、と言い切る。月光を霜に見立てており、三句切れである。
四句「月の光の」は、霜と見えたものの正体である月光を示している。
結句「冴えし渡れば」の「し」は強意の副助詞で、月光が一面に冷たく冴えわたっているので、と三句の理由を後から述べる倒置になっている。
さえわたる:光などが一面に冷たく澄みわたる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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掬ぶ手に涼しき影を慕ふかな 清水に宿る夏の夜の月
- 次の歌
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山川の岩にせかれて散る波を 霰と見する夏の夜の月