影冴えて月しもことに澄みぬれば
夏の池にもつらら居にけり
- 歌の意味
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光が冴えわたって、月がことのほか澄んでいるので、夏の池にも氷が張ってしまったように見えることよ。
- 鑑賞
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夏歌 247
詞書「池上夏月」
詞書「池上夏月」の題で詠まれた歌である。月の光がとりわけ冷たく澄みわたっているので、その光に照らされた夏の池の水面が、まるで氷が張ったように見える、と詠む。
本巻の第二百四十五首の霜、第二百四十六首の霰に続き、ここでは月光を池の氷に見立てており、夏の月を冬の景物に見立てる歌が三首続いている。
初句「影冴えて」の「影」は月の光をいい、光が冷たく冴えることをいう。
二句「月しもことに」の「しも」は強意で、「ことに」はとりわけ、格別に、の意である。
三句「澄みぬれば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、澄みきっているので、の意である。
四句「夏の池にも」の「も」は、冬ならぬ夏の池にまで、という意を込めている。
結句「つらら居にけり」の「つらら」は氷をいい、「居る」は氷が張ることをいう。「にけり」は、張ってしまったことよ、と見立てを確かめる詠嘆を表す。
つらら:氷、水面に張った氷
ゐる:氷などが張る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山川の岩にせかれて散る波を 霰と見する夏の夜の月
- 次の歌
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おのづから月宿るべき隙もなく 池に蓮の花咲きにけり