夕立の晴るれば月ぞ宿りける
玉揺りすうる蓮の浮葉に
- 歌の意味
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夕立が晴れると、月が宿って映っていたことよ。雨の玉を揺らしながら据えている蓮の浮き葉の上に。
- 鑑賞
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夏歌 249
詞書「雨中夏月」
詞書「雨中夏月」の題で詠まれた歌である。夕立が上がると、蓮の浮き葉の上に残った雨の玉が揺れ、その一粒一粒に月が宿って光っている、と詠む。夕立の後の清らかな夏の夜の景を描いている。
前歌が蓮に覆われて月の宿る隙もない池を詠んだのに対し、この歌では蓮の葉の上の雨の玉に月が宿っており、月が宿れない蓮と、月を宿す蓮とが対になっている。
初句「夕立の」は、夏の午後から夕方の激しいにわか雨をいう。
二句「晴るれば月ぞ」は、晴れると月が、の意で、係助詞「ぞ」で月を強調している。
三句「宿りける」は、二句の「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びで、月が映って宿っていたことに気づいた詠嘆を表す。三句切れで、下の句と倒置になっている。
四句「玉揺りすうる」は、雨の玉を揺らしながら葉の上に据えていることをいう。
結句「蓮の浮葉に」は、水面に浮かぶ蓮の葉をいい、月の宿る場所を後から示している。
うきは:水面に浮かんでいる葉
すう:物をある場所に置く、据える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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おのづから月宿るべき隙もなく 池に蓮の花咲きにけり
- 次の歌
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まだきより身にしむ風の気色かな 秋先立つる深山辺の里