山里は外面の真葛葉を茂み
うら吹き返す秋を待つかな
- 歌の意味
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山里では、家の外の葛の葉が茂っているので、その葉の裏を吹き返す秋風の訪れを、心の内で待っていることだ。
- 鑑賞
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夏歌 252
詞書「山家待秋」
詞書「山家待秋」の題で詠まれた歌である。山里の家の外には葛の葉が生い茂っている。葛の葉は秋風に吹かれて白い裏を見せるものとされ、その葉裏を吹き返す秋の訪れを、心待ちにしている、と詠む。
前歌までが秋の気配を感じとる歌であったのに対し、この歌は秋の到来を待つ心を詠んでおり、夏の部の終わりに向けて、秋への思いが高まっていく。
初句「山里は」は、山里では、と取り立てている。
二句「外面の真葛」の「外面」は家の外側、裏手をいい、「真葛」は葛の美称である。
三句「葉を茂み」は、「を」と形容詞の語幹に「み」が付いた形で、葉が茂っているので、と理由を表す。
四句「うら吹き返す」の「うら」は掛詞で、葛の葉の「裏」と、心をいう「うら」とを掛けている。秋風が葉を裏返すさまと、心の内で秋を待つことを重ねている。
結句「秋を待つかな」は、詠嘆の「かな」で、秋の訪れを待つ心を表して結ぶ。
そとも:家の外側、裏手
まくず:葛の美称、葛の葉は秋風に裏返って白い裏を見せる
うら:葉の「裏」と、心をいう「うら」とを掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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松風の音のみならず石走る 水にも秋はありけるものを
- 次の歌
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禊して幣切り流す川の瀬に やがて秋めく風ぞ涼しき