- 歌の意味
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禊をして、幣を切って流す川の瀬に、そのまま秋らしくなっていく風が涼しく吹いていることよ。
- 鑑賞
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夏歌 253
詞書「水無月祓」
詞書「水無月祓」の題で詠まれた、夏の部の巻末の一首である。水無月祓は、六月の末日に川辺で身を清め、半年間の罪やけがれを払う行事である。禊をして幣を切って川に流していると、その川の瀬に、すぐにも秋めいてくる風が涼しく吹いてくる、と詠む。夏の終わりの行事の中に、秋の訪れを感じとっている。
水無月祓は夏の終わりを告げる行事であり、翌日からは秋となる。巻頭の第百七十四首が衣は替えても心は春を慕うと詠んで春の名残から夏の部を始めたのに対し、この巻末の歌は秋めく風で夏の部を閉じており、前の季節への名残と次の季節への予感とで夏の部が囲まれている。
初句「禊して」の「禊」は、川などの水で身を清めてけがれを払うことをいう。
二句「幣切り流す」の「幣」は神に祈る際に捧げる麻や紙などで、祓の後、これを細かく切って川に流した。
三句「川の瀬に」は、禊を行う川の浅瀬をいう。
四句「やがて秋めく」の「やがて」は、そのまますぐに、の意で、夏の終わりの行事の場にそのまま秋の気配が訪れることを表す。
結句「風ぞ涼しき」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「涼しき」で結ぶ係り結びで、秋めく風の涼しさを強めて夏の部を結んでいる。
みなづきばらへ:陰暦六月の末日に行う祓、半年の罪やけがれを払う
みそぎ:川などの水で身を清めてけがれを払うこと
ぬさ:神に祈る際に捧げる麻や紙など、幣
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山里は外面の真葛葉を茂み うら吹き返す秋を待つかな
- 次の歌
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さまざまのあはれをこめて梢吹く 風に秋知る深山辺の里