船寄する天の河辺の夕暮は
涼しき風や吹きわたるらん
- 歌の意味
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彦星が船を寄せる天の川の岸辺の夕暮れには、涼しい風が吹き渡っているのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 261
詞書は前の歌に続き「七夕」
七夕を詠む一連の四首目である。逢瀬のために船を岸に寄せる天の川の河辺の夕暮れには、涼しい風が吹き渡っているのだろうか、と天上の景色を思いやっている。初秋の夕暮れに地上で感じる涼しさを、天の川のほとりにも重ねて想像している。
前歌までが七夕の日そのものや織女の心を詠んだのに対し、この歌は逢瀬の場となる河辺の情景に目を向けている。
初句「船寄する」は、船を岸に寄せる、の意で、牽牛が天の川を船で渡って織女のもとへ向かう姿を思わせる。
二句「天の河辺の」は、天の川のほとりをいい、二星の逢う場所である。
三句「夕暮は」は、逢瀬を前にした七日の夕暮れを取り立てている。
四句「涼しき風や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と呼応する。初秋の夕風の涼しさをいう。
結句「吹きわたるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、係助詞「や」を受けて連体形で結び、見えない天上の景を推し量っている。
かはべ:川のほとり、岸辺
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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天の川今日の七日は長き世の ためしにも引き忌みもしつべし
- 次の歌
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待ちつけてうれしかるらん七夕の 心のうちぞ空に知らるる