待ちつけてうれしかるらん七夕の
心のうちぞ空に知らるる
- 歌の意味
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待ちおおせてうれしいことであろう七夕の星の心のうちが、空の様子からおのずとわかることだ。
- 鑑賞
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秋歌 262
詞書は前の歌に続き「七夕」
七夕を詠む一連の五首目で、一連を結ぶ歌である。一年待ち続けた逢瀬の日をついに迎えて、さぞうれしいであろう七夕の二星の心のうちが、この夜の空の様子からおのずと察せられる、と詠む。澄んだ七夕の空に、二星の喜びを感じ取っている。
本巻の第二百五十九首と同じく「待ちつけて」の語を用い、待ちおおせた喜びを詠む。第二百五十九首が喜びの涙を推し量ったのに対し、この歌は空そのものに二星の喜びが表れていると見ており、一連は二星の喜びを繰り返し思いやって結ばれている。
初句「待ちつけて」は、待っていたものをついに迎えて、の意で、本巻の第二百五十九首の二句と同じ語である。
二句「うれしかるらん」の「らん」は現在推量の助動詞の連体形で、うれしいことであろう、と三句の「七夕」にかかる。
三句「七夕の」は、織女と牽牛の二星をいう。
四句「心のうちぞ」は、心の中が、の意で、係助詞「ぞ」で強めている。
結句「空に知らるる」の「るる」は自発の助動詞「る」の連体形で、係助詞「ぞ」を受けた係り結びとなる。空の様子によっておのずと知られる、の意である。
まちつく:待っていたものをついに迎える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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船寄する天の河辺の夕暮は 涼しき風や吹きわたるらん
- 次の歌
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ささがにの蜘蛛手にかけて引く糸や 今日七夕にかささぎの橋