ささがにの蜘蛛手にかけて引く糸や
今日七夕にかささぎの橋
- 歌の意味
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蜘蛛が四方八方に張りわたして引いている糸は、今日七夕のために架ける鵲の橋なのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 263
詞書「蜘蛛のいかきけるを見て」
詞書から、蜘蛛が巣を張っているのを見て詠んだ歌であることがわかる。七夕の日、蜘蛛が四方八方に張りわたしている糸を見て、これは今日の七夕に二星を渡すための鵲の橋なのだろうか、と見立てている。小さな蜘蛛の巣を、天の川に架かる橋に重ねた趣向である。
七夕の夜には鵲が翼を連ねて天の川に橋を架け、織女が渡るという伝説がある。また中国の『荊楚歳時記』には、七夕の乞巧奠で蜘蛛が瓜の上に網を張るのを吉兆とする風習が記されており、蜘蛛と七夕との取り合わせはこれに通じる。七夕の一連の後に置かれ、身近な蜘蛛の糸を通して七夕の主題を締めくくっている。
初句「ささがにの」は、蜘蛛にかかる枕詞である。
二句「蜘蛛手にかけて」の「蜘蛛手」は、蜘蛛の足のように四方八方に分かれ広がることをいい、蜘蛛の巣の張りわたし方を示している。
三句「引く糸や」の「や」は疑問の係助詞で、蜘蛛が引く糸は、と問いかけている。
四句「今日七夕に」は、七夕の当日である今日のために、の意である。
結句「かささぎの橋」は体言止めで、七夕の夜に鵲が翼を並べて天の川に架けるという伝説の橋をいう。蜘蛛の糸を橋に見立てて結んでいる。
ささがに:蜘蛛のこと、また蜘蛛にかかる枕詞
くもで:蜘蛛の足のように四方八方に分かれ広がること
かささぎのはし:七夕の夜に鵲が翼を連ねて天の川に架けるという伝説の橋
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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待ちつけてうれしかるらん七夕の 心のうちぞ空に知らるる
- 次の歌
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夕露を払へば袖に玉消えて 道分けかぬる小野の萩原