- 歌の意味
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夕露を払うと、袖の上で露の玉が消えてしまい、道を分けて進みかねる小野の萩原である。
- 鑑賞
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秋歌 264
詞書「草花道を遮ると云ふ事を」
詞書の題は、秋の草花が道をふさぐさまを詠むものである。野の萩原を通ろうとして、行く手をふさぐ萩に置いた夕露を払うと、露の玉は袖の上で消えてしまう。美しい露の玉を散らすのが惜しく、また茂った萩に道をふさがれて、分けて進みかねている、と詠む。
ここから秋の草花を詠む歌が続き、萩、薄、女郎花と野の花が順に取り上げられていく。この歌はその始まりとして、萩の茂る野道に足を止める姿を描いている。
初句「夕露を」は、夕方に草葉に置く露をいう。
二句「払へば袖に」は、已然形に「ば」が付いた形で、払うと袖の上で、の意である。
三句「玉消えて」の「玉」は露の玉をいい、萩の葉にあったときは玉のようであった露が、袖に払われて形を失うさまをいう。
四句「道分けかぬる」の「かぬ」は、〜しかねる、の意で、萩が道をふさいでいて分けて進めないことをいう。題の「道を遮る」に当たる句である。
結句「小野の萩原」は体言止めで、萩が一面に茂った野を示して結ぶ。「小野」の「小」は語調を整える接頭語である。
はぎはら:萩が一面に生い茂った野原
わけかぬ:草木を押し分けて進みかねる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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ささがにの蜘蛛手にかけて引く糸や 今日七夕にかささぎの橋
- 次の歌
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末葉吹く風は野もせにわたるとも 荒くは分けじ萩の下露