おぼつかな秋はいかなる故のあれば
すずろにもののかなしかるらん
- 歌の意味
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よくわからないことだ。秋にはどんなわけがあって、これといった理由もなく、もの悲しく思われるのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 290
詞書は前の歌に続き「秋歌中に」
前歌に続いて秋の歌として詠んだ一首である。よくわからないことだ、秋にはいったいどんなわけがあって、これといった理由もないのに、なんとなくもの悲しくなるのだろうか、と詠む。秋のもの悲しさを、自分でも理由がわからないものとして問いかけている。
前歌が秋の夕暮れの寂しさを景として捉えたのに対し、この歌はその寂しさを感じる心の不思議を問うている。次歌の「何事をいかに思ふとなけれども」、第二百九十二首の「なにとなくものがなしくぞ」と、理由のないもの悲しさを詠む歌が続いていく。
初句「おぼつかな」は、形容詞「おぼつかなし」の語幹で、よくわからない、と詠嘆している。ここで句切れとなる初句切れの歌である。
二句「秋はいかなる」は、秋にはどのような、の意で、秋そのものに問いかけている。
三句「故のあれば」は六音の字余りで、理由があるので、の意である。
四句「すずろにものの」の「すずろに」は、これといった理由もなく、なんとなく、の意である。
結句「かなしかるらん」の「らん」は原因推量の助動詞で、どうしてもの悲しいのだろうか、と結んでいる。
すずろ:これといった理由もないさま、なんとなく
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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吹き渡す風にあはれをひとしめて いづくもすごき秋の夕暮
- 次の歌
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何事をいかに思ふとなけれども 袂かわかぬ秋の夕暮