- 歌の意味
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荻の葉を吹き過ぎて行く風の音に、心が乱れる秋の夕暮れであるよ。
- 鑑賞
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秋歌 299
詞書は前の歌に続き「人々秋歌十首詠みけるに」
秋歌十首の一連の四首目である。荻の葉を吹き過ぎて行く風の音を聞くと、心が乱れてならない秋の夕暮れである、と詠む。荻の葉音に秋のあわれを感じる伝統を踏まえ、その音によって心が乱れるさまを詠んでいる。
本巻の第二百八十五首が「荻の葉乱る秋の夕風」と、風に乱れる荻の葉を詠んだのに対し、この歌では乱れるのは荻の葉ではなく人の心であり、風に乱れる葉と風の音に乱れる心とが対応している。また結句「秋の夕暮」は、第二百八十九首からの秋の夕暮れの歌と同じである。
初句「荻の葉を」は、秋の訪れを告げる葉音で知られる荻の葉を、の意である。
二句「吹き過ぎて行く」は、風が荻の葉を吹いて通り過ぎて行く、の意である。
三句「風の音に」は六音の字余りで、風の音によって、の意である。
四句「心乱るる」は、心が乱れる、の意で、本巻の第二百八十五首の「荻の葉乱る」と対応している。
結句「秋の夕暮」は体言止めで、心の乱れる時を示して結ぶ。
をぎ:水辺に生える薄に似た草で、葉音が秋を知らせるものとされた
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花をこそ野辺のものとは見に来つれ 暮るれば虫の音をも聞きけり
- 次の歌
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晴れやらぬ深山の霧の絶え絶えに ほのかに鹿の声聞こゆなり