かねてより梢の色を思ふかな
時雨はじむる深山辺の里
- 歌の意味
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今から前もって、梢が色づくさまを思いやることだ。時雨が降りはじめた深山のほとりの里で。
- 鑑賞
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秋歌 301
詞書は前の歌に続き「人々秋歌十首詠みけるに」
秋歌十首の一連の六首目である。深山のほとりの里に時雨が降りはじめたので、やがて木々の梢が紅葉に色づくさまを、今から前もって思いやっている、と詠む。時雨は木の葉を染めるものとされ、その降りはじめに紅葉の季節を先取りする心を表している。
結句「深山辺の里」は、本巻の巻頭の第二百五十四首と同じで、初秋の風に秋を知った里に、ここでは時雨が降りはじめている。同じ里の季節の移ろいが、結句を共有する歌によってたどられている。
初句「かねてより」は、前もって、あらかじめ、の意である。
二句「梢の色を」は、木々の梢が紅葉して色づくさまを、の意である。
三句「思ふかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、思いやることだ、と言い切る。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「時雨はじむる」は、時雨が降りはじめる、の意で、時雨は木の葉を紅葉させるものとされた。上の句の理由を倒置で後に示している。
結句「深山辺の里」は体言止めで、本巻の第二百五十四首の結句と同じ句で結んでいる。
しぐれ:秋の末から冬にかけて降ったりやんだりする雨
かねて:前もって、あらかじめ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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晴れやらぬ深山の霧の絶え絶えに ほのかに鹿の声聞こゆなり
- 次の歌
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鹿の音を垣根にこめて聞くのみか 月もすみけり秋の山里