- 歌の意味
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わずかばかりの庭の小草に置いた白露を、わざわざ探し求めて宿っている秋の夜の月であるよ。
- 鑑賞
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秋歌 304
詞書は前の歌に続き「人々秋歌十首詠みけるに」
秋歌十首の一連の九首目である。広い空を照らす秋の夜の月が、わずかばかりの庭の小草に置いた白露を、わざわざ探し求めるようにして、その一つ一つに光を宿している、と詠む。大きな月と小さな露との対比により、露に映る月の光の美しさを描いている。
結句「秋の夜の月」は、この後の月の歌に繰り返し用いられる結句で、本巻の第三百八首、第三百九首、第三百十四首などにも見える。十首の一連は、ここで月を詠み、次の歌で秋そのものへの嘆きによって結ばれる。
初句「わづかなる」は、わずかばかりの、ささやかな、の意で、二句の「庭の小草」の小ささを強めている。
二句「庭の小草の」は、庭に生える小さな草の、の意である。
三句「白露を」は、白く光る露を、の意で、月の光を宿すものとして置かれている。
四句「求めて宿る」は、月が自ら露を探し求めて、その上に光を宿す、と月を擬人化している。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、小さな露に宿る大きな月を示して結ぶ。
やどる:光や影が物の上に映ってとどまる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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庵に漏る月の影こそさびしけれ 山田は引板の音ばかりして
- 次の歌
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なにとかく心をさへは尽くすらん 我が嘆きにて暮るる秋かは