- 歌の意味
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浅茅の茂る野原の葉先に置いた露の玉の一つ一つに、光を貫き通している秋の夜の月であるよ。
- 鑑賞
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秋歌 316
詞書は前の歌に続き「月」
前歌に続いて「月」の題で詠まれた歌である。浅茅が一面に茂る野原の、葉先に置いた露の玉の一つ一つを、秋の夜の月が光で貫き通すように照らしている、と詠む。月の光を糸に、露を玉に見立て、月光が露の玉を連ねて貫いているかのように描いている。
本巻の第三百四首が庭の小草の白露に宿る月を詠んだのと通じ、ここでは広い浅茅原の無数の露へと規模を広げている。また第二百九十六首の「玉に貫く露」とも通じる見立てである。
初句「浅茅原」は、丈の低い茅が一面に生えた野原をいい、荒れた寂しい野として和歌に詠まれる。
二句「葉末の露の」は、葉先に置いた露の、の意である。
三句「玉ごとに」は、露の玉の一つ一つに、の意で、露を玉に見立てている。
四句「光つらぬく」は、月の光が露の玉を糸のように貫き通す、の意で、月光を玉を通す糸に見立てている。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、本巻の第三百四首と同じ結句で結んでいる。
あさぢはら:丈の低い茅が一面に生えた野原
はずゑ:葉の先
つらぬく:端から端まで突き通す
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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明くるまで宵より空に雲なくて またこそかかる月見ざりつれ
- 次の歌
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秋の夜の月を雪かとまがふれば 露も霰の心地こそすれ