水錆ゐぬ池の面の清ければ
宿れる月もめやすかりけり
- 歌の意味
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水錆の浮いていない池の水面が清らかなので、そこに映っている月も見た目に美しいことだ。
- 鑑賞
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秋歌 320
詞書「池上月」
詞書「池上月」は、池の上に映る月を詠む題である。水面に水錆の浮いていない池は清らかなので、そこに映る月もまた見ていて感じがよく美しい、と詠む。池の清らかさと、そこに映る月の美しさとを結びつけている。
次の二首も同じ「池上月」の心を詠んだ歌で、特に第三百二十二首では、月にかかる浮雲を「払ひ残せる水錆」と見立てており、この歌の「水錆ゐぬ」と呼応している。
初句「水錆ゐぬ」の「水錆」は、水面に浮く錆のような汚れをいい、「ゐぬ」は、浮いていない、の意である。
二句「池の面の」は、池の水面の、の意である。
三句「清ければ」は、清らかなので、と已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「宿れる月も」の「宿る」は、水面に映ってとどまる、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
結句「めやすかりけり」の「めやすし」は、見た感じがよい、の意で、「けり」は気づきの詠嘆である。
みさび:水面に浮く錆のような汚れ
めやすし:見た感じがよい、見苦しくない
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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清見潟月澄む空の浮雲は 富士の高嶺の煙なりけり
- 次の歌
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宿しもつ月の光のををしさは いかにいへども広沢の池