- 歌の意味
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難波潟では、月の光に浦一帯が冷たく冴えわたって、波の表面に氷を敷きつめたようだ。
- 鑑賞
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秋歌 326
詞書「海辺明月」
詞書「海辺明月」は、海辺の明るい月を詠む題である。摂津国の難波潟では、明るい月の光に浦一帯が冷たく冴えわたり、波の表面に氷を敷きつめたかのように白く輝いている、と詠む。月光に照らされた海面を氷に見立てている。
月光を氷に見立てる趣向は本巻の第三百二十三首と通じ、そこでは水のない池が、ここでは広い海が月光によって氷の面と化している。名所の月を詠む歌が、清見潟、明石に続いて難波潟へと移っている。
初句「難波潟」は、摂津国、今の大阪湾の入り江一帯をいう歌枕である。
二句「月の光に」は、月の光によって、の意である。
三句「浦冴えて」の「冴ゆ」は、冷たく冴えわたる、光や色が澄む、の意で、浦一帯が月光に冷たく澄むさまをいう。
四句「波の面に」は、波の表面に、の意である。
結句「氷をぞ敷く」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「敷く」で結ぶ係り結びで、波の面に氷を敷いたようだ、と月光を氷に見立てて結ぶ。
さゆ:冷たく冴えわたる、光や色が澄む
なにはがた:摂津国、今の大阪湾の入り江一帯をいう歌枕
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なべてなほ所の名をや惜しむらん あかしはわきて月のさやけき
- 次の歌
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くまもなき月の光にさそはれて 幾雲居まで行く心ぞも