さやかなる影にてしるし秋の月
とよにあまれる五日なりけり
- 歌の意味
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くっきりと明るい光によって、それとはっきりわかる秋の月である。十に余ること五日、まさに十五日の月なのであった。
- 鑑賞
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秋歌 332
詞書は前の歌に続き「八月十五夜」
十五夜を詠む一連の四首目である。くっきりと明るい光によって、それとはっきりわかる秋の月は、十を五日余った十五日の月、すなわち十五夜の月なのであった、と詠む。十五という数を「とよにあまれる五日」と言いなし、満月の明るさから日付を確かめている。
前歌までが月の明るさや澄みわたるさまから十五夜を感じ取ったのを受け、この歌は数の言い回しによって十五夜であることをあらためて言い表している。本巻の第三百三十五首でも「十五」の数が詠み込まれている。
初句「さやかなる」は、くっきりと明るい、の意である。
二句「影にてしるし」の「影」は光の意、「しるし」は、はっきりしている、の意で、光によってそれとわかる、の意である。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「秋の月」は、十五夜の秋の月を示し、下の句でその日付を明かしている。
四句「とよにあまれる」は、十に余る、の意で、結句の「五日」と合わせて十五日を言い表したものとみられる。
結句「五日なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、十を五日余った日、十五夜であったと確かめて結ぶ。
さやか:くっきりと明るいさま
しるし:はっきりしている、際立っている
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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天の川名に流れたる甲斐ありて 今宵の月はことに澄みけり
- 次の歌
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うちつけにまた来ん秋の今宵まで 月ゆゑ惜しくなる命かな