秋風や天つ雲居を払ふらん
更けゆくままに月のさやけき
- 歌の意味
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秋風が空の雲を吹き払っているのだろうか。夜が更けていくにつれて、月がいっそう明るく冴えわたっていく。
- 鑑賞
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秋歌 339
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の三首目である。夜が更けていくにつれて月がますます明るく冴えていくのは、秋風が空の雲を吹き払っているからなのだろうか、と詠む。月の明るさの増していく理由を、目に見えない秋風のはたらきに求めている。
前歌が雲が月にかかることを案じたのを受け、この歌では秋風が雲を払い、月が冴えていく様子が詠まれる。本巻の第三百七首の、月の通り道の雲を風が吹き払ってほしいと願った歌の、その願いがかなった姿とも見られる。
初句「秋風や」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」と呼応する。
二句「天つ雲居を」の「天つ」は天の、の意で、空の雲のあるあたりを、の意である。
三句「払ふらん」の「らん」は原因推量の助動詞で、払っているからなのだろうか、の意である。係助詞「や」を受けて連体形で結び、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「更けゆくままに」は、夜が更けていくにつれて、の意である。
結句「月のさやけき」の「さやけし」は、明るく澄んでいる、の意で、連体形で止めて余情を残している。三句の推量の根拠を倒置で後に示している。
あまつ:天の、空の
さやけし:明るく澄んでいる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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待ち出でてくまなき宵の月見れば 雲ぞ心にまづかかりける
- 次の歌
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いづくとてあはれならずはなけれども 荒れたる宿ぞ月はさびしき