- 歌の意味
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月が傾いていく山をずっと眺め続けて、名残を惜しんだそのかいがあったのだろうか。月は有明の空に残っている。
- 鑑賞
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秋歌 354
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の十八首目である。月が西の山の方へ傾いていくのを、沈まないでほしいと惜しみながらずっと眺め続けていた、そのかいがあったのだろうか、月は夜が明けても有明の空に残っている、と詠む。月を惜しむ心が通じて、月がとどまっているかのように捉えている。
本巻の第三百十四首で「しばしな入りそ」と月を引き止めた願いが、この歌ではかなえられたかのように詠まれている。月が入るのを惜しむ歌の流れの中で、有明の月の情景へと進んでいる。
初句「月影の」の「月影」は月の光、また月そのものをいう。
二句「傾く山を」は、月が西に傾いていく山の方を、の意である。
三句「眺めつつ」の「つつ」は継続を表し、ずっと眺め続けて、の意である。
四句「惜しむしるしや」の「しるし」は効果、かいの意で、「や」は疑問の係助詞である。惜しんだかいがあったのだろうか、の意である。
結句「有明の空」は体言止めで、夜が明けても月が残っている空を示し、四句の問いの答えを示唆して結ぶ。
しるし:効果、かい
ありあけ:夜が明けてもなお月が空に残っているころ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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行方なく月に心の澄み澄みて 果てはいかにかならんとすらん
- 次の歌
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眺むるもまことしからぬ心地して 世にあまりたる月の影かな