月のため昼と思ふがかひなきに
しばし曇りて夜を知らせよ
- 歌の意味
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月が明るすぎて昼と思われてしまうのでは、月を見るかいがないので、しばらく曇って、夜であることを知らせておくれ。
- 鑑賞
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秋歌 358
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の二十二首目である。月があまりに明るいために、まるで昼のように思われてしまっては、夜の月を見るかいがないので、月よ、しばらく曇って、今が夜であることを知らせておくれ、と詠む。月の明るさを、昼と区別がつかないほどだと誇張して讃えている。
これまで月を隠す雲を厭い続けてきたのに対し、この歌では逆に月に曇ることを求めるという反転した趣向をとっている。ここから第三百六十四首まで、月夜を昼と見まがう趣向の歌が続いていく。
初句「月のため」は、月のために、月のせいで、の意である。
二句「昼と思ふが」は、昼だと思ってしまうのが、の意である。
三句「かひなきに」は、かいがないので、の意で、月を夜に見る意味がなくなることをいう。
四句「しばし曇りて」は、しばらく曇って、の意で、月に向かって曇ることを求めている。
結句「夜を知らせよ」の「よ」は命令形の語尾で、夜であることを知らせよ、と月に呼びかけて結ぶ。
かひ:効果、かい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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まこととも誰か思はん一人見て 後に今宵の月を語らば
- 次の歌
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天の原朝日山より出づればや 月の光の昼にまがへみて