有明の月のころにしなりぬれば
秋は夜なき心地こそすれ
- 歌の意味
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有明の月の頃になったので、秋には夜の闇というものがないような心地がすることだ。
- 鑑賞
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秋歌 360
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の二十四首目である。夜が明けても月が空に残る有明の月の頃になると、夜通し月の光が絶えることがなく、秋には夜の闇というものがないかのような心地がする、と詠む。宵から明け方まで月がある秋の夜を、夜がないと言いなして讃えている。
前の二首が月の光を昼と見まがうと詠んだのを受け、この歌はさらに進めて、秋には夜そのものがないと言っている。本巻の第三百五十四首の有明の空の月とも通じる。
初句「有明の」は、夜が明けてもなお月が空に残っている、の意で、陰暦十六日以降の月をいう。
二句「月のころにし」の「し」は強意の副助詞で、有明の月の頃に、の意である。
三句「なりぬれば」は、なったので、の意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「秋は夜なき」は、秋には夜というものがない、の意で、月の光が一晩じゅう絶えないことを誇張している。
結句「心地こそすれ」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「すれ」で結ぶ係り結びで、そう感じられることを強めている。
ありあけ:夜が明けてもなお月が空に残っているころ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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天の原朝日山より出づればや 月の光の昼にまがへみて
- 次の歌
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なかなかに時々雲のかかるこそ 月をもてなす飾りなりけれ