- 歌の意味
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雲を吹き晴らす嵐の音は松の木にあるからだろうか、月までも松の緑の色に映えながら照っている。
- 鑑賞
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秋歌 362
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の二十六首目である。雲を吹き払う嵐の音が松の梢に聞こえるのは、その嵐が松にあるからだろうか、嵐に雲が晴れた月までも、松の緑の色に照り映えている、と詠む。松風の音と、松の緑に映える月の光とを取り合わせている。
前歌が雲を月の飾りとしたのに対し、この歌は嵐によって雲の晴れた月を詠んでいる。月の光が松の緑に映えるという色の取り合わせは、月の歌の中でも珍しいものである。
初句「雲晴るる」は、雲が晴れる、の意で、二句の「嵐」にかかり、雲を晴らす嵐、の意となる。
二句「嵐の音は」は、強く吹く風の音は、の意である。
三句「松にあれや」は、松にあるからだろうか、の意で、已然形「あれ」に疑問の「や」が付き、理由を推し量っている。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「月も緑の」は、月までも松の緑の、の意である。
結句「色に映えつつ」の「映ゆ」は、照り映える、の意で、「つつ」は継続を表す。月の光が松の緑に映え続けるさまを示して結ぶ。
あらし:山などから激しく吹き下ろす風
はゆ:光を受けて照り輝く、照り映える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なかなかに時々雲のかかるこそ 月をもてなす飾りなりけれ
- 次の歌
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定めなく鳥や鳴くらん秋の夜の 月の光を思ひまがへて