誰もみなことわりとこそ定むらめ
昼をあらそふ秋の夜の月
- 歌の意味
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誰もがみな、もっともなことだと判定するだろう。昼と明るさを競い合っている秋の夜の月のことは。
- 鑑賞
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秋歌 364
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の二十八首目である。秋の夜の月が昼と明るさを競い合っているのを見れば、誰もがみな、月が昼に負けないのはもっともなことだと判定するだろう、と詠む。月と昼とを競い合う者に見立て、その勝負を人々が判定するという歌合のような趣向をとっている。
本巻の第三百五十八首から続いた、月夜を昼と見まがう趣向の歌の結びとなる一首で、昼と月とを争わせることで、月の明るさをもっとも強く讃えている。
初句「誰もみな」は、誰もがみな、の意である。
二句「ことわりとこそ」の「ことわり」は、道理、もっともなこと、の意で、係助詞「こそ」は三句の已然形「らめ」と係り結びをなす。
三句「定むらめ」の「定む」は、判定する、決める、の意で、「らめ」は現在推量の助動詞「らむ」の已然形である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「昼をあらそふ」は、昼と明るさを競い合う、の意で、月を擬人化している。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、昼と争う月を示し、判定の対象を倒置で後に示している。
ことわり:道理、もっともなこと
さだむ:判定する、決める
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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定めなく鳥や鳴くらん秋の夜の 月の光を思ひまがへて
- 次の歌
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影冴えてまことに月の明き夜は 心も空に浮かれてぞすむ