もろともに影を並ぶる人もあれや
月の漏りくる笹の庵に
- 歌の意味
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いっしょに月の光の中に並んで姿を映す人もいてほしいものだ。月の光が漏れてくる、この笹の庵に。
- 鑑賞
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秋歌 369
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の三十三首目である。月の光が漏れ入ってくるこの笹の庵に、自分と並んで月の光に姿を映し、ともに月を眺めてくれる人もいてほしいものだ、と詠む。ひとりで月を見る寂しさと、月を分かち合う人を求める心とを表している。
本巻の第三百五十七首がひとりで月を見ても誰も信じてくれないだろうと詠んだのと同じく、ひとりで月を見る寂しさを詠んでいる。また第三百四十八首の草の庵に漏る月とも通じ、粗末な庵に漏れ入る月の歌が重ねられている。
初句「もろともに」は、いっしょに、ともに、の意である。
二句「影を並ぶる」の「影」は姿の意で、月の光の中に並んで姿を映す、の意である。
三句「人もあれや」は六音の字余りで、人もいてほしい、の意である。「あれ」は命令形、「や」は詠嘆の間投助詞で、願望を表している。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「月の漏りくる」は、月の光が漏れ入ってくる、の意である。
結句「笹の庵に」は、笹で葺いた粗末な庵に、の意で、三句の願いの場所を倒置で後に示している。
もろともに:いっしょに、ともに
いほり:草木で造った粗末な小屋
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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雲も見ゆ風も吹けば荒くなる のどかなりつる月の光を
- 次の歌
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なかなかに曇ると見えて晴るる夜の 月は光の添ふ心地する