- 歌の意味
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大空の同じ岩戸から出てくるのに、ほかの季節とは光がまったく異なる秋の夜の月であるよ。
- 鑑賞
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秋歌 377
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の四十一首目である。月はいつの季節も大空の同じ岩戸から出てくるのに、秋の夜の月だけは、ほかの季節とは光がまったく異なっている、と詠む。同じ月でありながら秋の月が格別であることを、神話の岩戸を用いて讃えている。
「岩戸」は、天照大神が隠れたという天の岩戸を思わせ、天上の門としている。本巻の第三百三十四首が秋の名は今宵一夜のものと詠んだのと同じく、同じ空にありながら秋の月が格別であることを詠んでいる。
初句「天の原」は、広々とした大空をいう。
二句「同じ岩戸を」の「岩戸」は、岩の戸、天上の門をいい、天の岩戸を思わせる。月がいつも同じ門から出ることをいう。
三句「出づれども」は、出るけれども、の意で、逆接の接続助詞「ども」によって下の句へ続けている。
四句「光異なる」は、光がほかの季節とはまったく違う、の意である。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、格別な光を放つ秋の月を示して結ぶ。
いはと:岩の戸、天上にあるという門
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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月冴ゆる明石の瀬戸に風吹けば 氷の上に畳む白波
- 次の歌
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限りなく名残惜しきは秋の夜の 月にともなふ曙の空