- 歌の意味
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この上なく名残惜しく思われるのは、秋の夜の月とともに明けていく曙の空である。
- 鑑賞
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秋歌 378
詞書は前の歌に続き「月歌あまた詠みけるに」
月の歌の一連の四十二首目で、本巻の第三百三十七首から続いた「月歌あまた詠みけるに」の一連を結ぶ歌である。この上なく名残惜しいのは、秋の夜の月を空に残したまま明けていく曙の空である、と詠む。夜通し眺めた月との別れを、白んでいく曙の空に惜しんでいる。
一連の初めの第三百三十七首が、都の山の端に出る月を詠んで始まったのに対し、この歌は月とともに明ける曙で結ばれ、月の出から夜明けまでの一夜をたどるように一連が閉じられている。
初句「限りなく」は、この上なく、の意である。
二句「名残惜しきは」は、別れがたく惜しく思われるのは、の意で、「は」で取り立てて結句でその対象を明かしている。
三句「秋の夜の」は、四句の「月」にかかる。
四句「月にともなふ」は、月とともにある、月を伴った、の意で、明けてもなお空に残る月をいう。
結句「曙の空」は体言止めで、夜がほのぼのと明けはじめる空を示して結ぶ。
なごり:別れた後に残る気配や思い
あけぼの:夜がほのぼのと明けはじめるころ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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天の原同じ岩戸を出づれども 光異なる秋の夜の月
- 次の歌
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今宵はと心得顔に澄む月の 光もてなす菊の白露