- 歌の意味
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雲の消えた那智の高い峰に月が高く昇って、その光を玉のように貫いて連ねている滝の白い流れであるよ。
- 鑑賞
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秋歌 382
詞書「月照滝」
詞書「月照滝」は、月が滝を照らすさまを詠む題である。雲の消えた紀伊国那智の高い峰に月が高く昇り、その光に照らされた滝の流れが、月の光を玉として糸に貫いて連ねたように白く輝いている、と詠む。滝の流れを白い糸に、月光を玉に見立て、那智の滝の壮麗な夜景を描いている。
月の光を糸で貫くという見立ては、本巻の第三百十六首の、月光が露の玉を貫くという歌と通じ、ここでは糸と玉の役割を入れ替えて、滝を糸、月光を玉としている。
初句「雲消ゆる」は、雲が消えて晴れわたる、の意で、二句の「高嶺」にかかる。
二句「那智の高嶺に」は、紀伊国の那智の高い峰に、の意で、那智の滝のある山をいう。
三句「月たけて」の「たく」は、高く昇る、の意で、月が空高く昇って、の意である。
四句「光を貫ける」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、月の光を玉のように貫き通している、の意である。
結句「滝の白糸」は体言止めで、白い糸のように見える滝の流れを示して結ぶ。
たく:日や月が高く昇る、盛りになる
しらいと:白い糸、ここでは滝の流れのたとえ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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月見れば秋加はれる年はまた 飽かぬ心も空にぞありける
- 次の歌
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出でながら雲に隠るる月影を 重ねて待つや二村の山