- 歌の意味
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山の端から出てはいながら、雲に隠れてしまう月を、もう一度重ねて待つことになるのだなあ、この二村の山では。
- 鑑賞
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秋歌 383
詞書「久待月」
詞書「久待月」は、長く月を待つことを詠む題である。月が山の端から出るのを待ち、ようやく出たと思えば、今度は雲に隠れてしまったので、二重に重ねて月を待つことになる、二村山で、と詠む。月を待つ時の長さを、二度待つという形で表している。
地名の「二村」の「二」に、二度重ねて待つ意を響かせ、「重ねて」と縁を持たせている。次歌も雲の切れ間を待つ心を詠み、月を待つ題の歌が続いている。
初句「出でながら」は、山の端から出てはいるものの、の意である。
二句「雲に隠るる」は、雲に隠れてしまう、の意である。
三句「月影を」は、月を、月の光を、の意である。
四句「重ねて待つや」は、もう一度重ねて待つことだ、の意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。月の出を待ち、さらに雲の晴れるのを待つ二度の待機をいう。
結句「二村の山」は体言止めで、尾張国の歌枕である二村山を示し、「二」が四句の「重ねて」と響き合っている。
ふたむらやま:尾張国の歌枕
かさぬ:同じことを繰り返す、重ねる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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雲消ゆる那智の高嶺に月たけて 光を貫ける滝の白糸
- 次の歌
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秋の夜のいさよふ山の端のみかは 雲の絶え間も待たれやはせぬ