秋の夜のいさよふ山の端のみかは
雲の絶え間も待たれやはせぬ
- 歌の意味
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秋の夜に、月がためらって出てこない山の端だけが待たれるのだろうか。雲の絶え間もまた待たれないことがあろうか、待たれるのだ。
- 鑑賞
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秋歌 384
詞書「雲間待月」
詞書「雲間待月」は、雲の切れ間から月が現れるのを待つことを詠む題である。秋の夜に、ためらうようになかなか出てこない月を、山の端から出るのを待つばかりではない、雲の絶え間に月が現れるのも待たずにはいられない、と詠む。月を待つ心を、山の端と雲間との二つの場所に向けている。
前歌が月の出と雲の晴れ間とを二重に待つ心を詠んだのと同じく、この歌も山の端と雲の絶え間との二つを待つ心を、反語を重ねて強く表している。
初句「秋の夜の」は、秋の夜に、の意である。
二句「いさよふ山の」の「いさよふ」は、ためらう、の意で、月がためらってなかなか出てこない山の、の意である。
三句「端のみかは」は六音の字余りで、山の端だけが待たれるのだろうか、の意である。「かは」は反語を表している。
四句「雲の絶え間も」は、雲の切れ間もまた、の意である。
結句「待たれやはせぬ」の「れ」は自発の助動詞、「やは」は反語の係助詞で、待たれないことがあろうか、いや自然と待たれる、と強めて結んでいる。
たえま:途切れている間、切れ間
いさよふ:ためらう、進もうとして進まない
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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出でながら雲に隠るる月影を 重ねて待つや二村の山
- 次の歌
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惜しむ夜の月にならひて有明の 入らぬを招く花薄かな