- 歌の意味
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花の盛りの頃の野のさまを、その光の中に映し出すので、秋の夜の月もまた、野守の鏡なのであった。
- 鑑賞
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秋歌 389
詞書「月前野花」
詞書「月前野花」は、月の前の野の花を詠む題である。花の盛りを迎えた野のさまを、秋の夜の月がその光の中に映し出しているので、月もまた野守の鏡なのだなあ、と詠む。野の花を照らし出す月の光を、野を映す鏡に見立てている。
「野守の鏡」は、野中の水に物の影が映るのを鏡にたとえた語で、和歌に詠まれてきたものである。前歌が月の光によって夜も野の花を見られることを詠んだのを受け、この歌はその月を、野の花を映す鏡に見立てている。
初句「花の頃を」は六音の字余りで、花の盛りの頃の野のさまを、の意である。
二句「影に映せば」の「影」は月の光の意で、光の中に映し出すので、の意である。
三句「秋の夜の」は、四句の「月」にかかる。
四句「月も野守の」は、月もまた野守の、の意で、「野守」は野の番人をいう。
結句「鏡なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、月も野守の鏡なのであった、と見立てて結ぶ。
のもり:野の番をする人
のもりのかがみ:野中の水に物の影が映るのを鏡にたとえた語
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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月なくは暮れば宿へや帰らまし 野辺には花の盛りなりとも
- 次の歌
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月の色を花に重ねて女郎花 上裳の下に露をかけたる