月の澄む浅茅にすだくきりぎりす
露の置くにや秋を知るらん
- 歌の意味
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月の澄みわたる浅茅の中に集まって鳴くこおろぎは、露が置くのによって秋を知るのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 393
詞書「月前虫」
詞書「月前虫」は、月の前で鳴く虫を詠む題である。月の光が澄みわたる浅茅の中に、こおろぎが集まって鳴いている、こおろぎは、草に露が置くのによって秋が来たことを知るのだろうか、と詠む。月、浅茅、露、虫と秋の景物を重ね、虫の身になって秋を知る心を思いやっている。
「きりぎりす」は、古くは今のこおろぎを指した。本巻では第二百九十八首で初めて虫の音が詠まれ、ここから月の前の虫を詠む歌が二首続く。
初句「月の澄む」は、月の光が澄みわたる、の意で、二句の「浅茅」にかかる。
二句「浅茅にすだく」の「すだく」は、虫などが集まって鳴く、の意である。
三句「きりぎりす」は、古くは今のこおろぎを指す語で、四句以下の主語となる。
四句「露の置くにや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と呼応する。露が置くのによって、の意である。
結句「秋を知るらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、係助詞「や」を受けて連体形で結び、秋を知るのだろうか、と推し量っている。
すだく:虫などが集まって鳴く
きりぎりす:今のこおろぎ
あさぢ:丈の低い茅
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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庭冴ゆる月なりけりな女郎花 霜にあひぬる花と見たれば
- 次の歌
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露ながらこぼさで折らん月影に 小萩が枝の松虫の声