- 歌の意味
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夕露が玉を敷きつめたように置く田の、筵を敷いたように一面に実った稲の、重く垂れた穂先に、月が澄んで映っていることだ。
- 鑑賞
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秋歌 396
詞書「田家月」
詞書「田家月」は、田舎の家で見る月を詠む題である。夕露が玉を敷きつめたように置いた田に、稲が筵を敷いたように一面に実り、その重く頭を垂れた穂先の露に、月の光が澄んで映っている、と詠む。実りの秋の田の景に、露と月の光の美しさを重ねている。
本巻の第三百四首の、庭の小草の露に宿る月の歌と通じ、ここでは広い田一面の稲穂の露に月が宿るさまを詠んでいる。田家の月は、本巻の第四百六十四首以下の田家の秋の夕暮れの歌とも響き合っている。
初句「夕露の」は、夕方に置く露の、の意である。
二句「玉敷く小田の」は、露が玉を敷きつめたように置いている田の、の意で、「小」は接頭語である。
三句「稲筵」は、稲が筵を敷いたように一面に実っているさまをいう。
四句「かぶす穂末に」の「かぶす」は、頭を垂れる、傾ける、の意で、重く垂れた稲の穂先に、の意である。
結句「月ぞ澄みける」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びで、月が澄んで映っていることを強めている。
いなむしろ:稲が筵を敷いたように一面に実っているさま
かぶす:頭を垂れる、傾ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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わがよとや更けゆく空を思ふらん 声も休まぬきりぎりすかな
- 次の歌
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類なき心地こそすれ秋の夜の 月澄む嶺のさを鹿の声