さらぬだに浮かれてものを思ふ身の
心を誘ふ秋の夜の月
- 歌の意味
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そうでなくてさえ心が落ち着かず物思いをしている身の、その心をさらに誘い出す秋の夜の月であるよ。
- 鑑賞
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秋歌 404
詞書は前の歌に続き「寄月述懐」
月に寄せて思いを述べる一連の四首目である。そうでなくてさえ、心が身を離れてさまよい出るように落ち着かず、物思いにふけっている身なのに、その心をさらに誘い出してしまう秋の夜の月である、と詠む。もとより定まらない心を、月がますますさまよわせることを述べている。
本巻の第三百二十七首の、月の光に誘われて遠くへ行く心や、第三百四十九首の月を見て浮かれた心と通じ、月に誘われてさまよい出る心が、ここでは述懐として詠まれている。
初句「さらぬだに」は、そうでなくてさえ、の意である。
二句「浮かれてものを」の「浮かる」は、心が身を離れてさまよい出る、落ち着かなくなる、の意である。
三句「思ふ身の」は、物思いをする身の、の意である。
四句「心を誘ふ」は、その心をさらに誘い出す、の意である。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、心を誘い出す秋の夜の月を示して結ぶ。
さらぬだに:そうでなくてさえ
うかる:心が身を離れてさまよい出る、落ち着かなくなる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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厭ふ世も月澄む秋になりぬれば ながらへずはと思ふなるかな
- 次の歌
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捨てていにし憂き世に月の澄まであれな さらば心のとまらざらまし