かたそぎの行き合はぬ間より漏る月や
冴えて御袖の霜に置くらん
- 歌の意味
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社殿の屋根の千木の片削ぎが行き合わない、そのすき間から漏れてくる月の光が、冷たく冴えて、神の御袖に霜となって置いているのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 409
詞書「人々住吉に参りて、月をもてあそびけるに」
詞書から、人々と住吉の社に参詣し、月を愛でて楽しんだ折の歌であることがわかる。住吉の社殿の屋根の千木の片削ぎが交わらずにあいているすき間から月の光が漏れ入り、その光が冷たく冴えて、神の御袖に霜となって置いているのだろうか、と詠む。月光を霜に見立て、住吉の神を思いやっている。
住吉の神の歌と伝えられる「夜や寒き衣や薄きかたそぎの行きあはぬ間より霜や置くらむ」を踏まえ、その霜を月の光に置き換えている。次歌も同じ折に住吉の岸の月を詠んでいる。
初句「かたそぎの」の「かたそぎ」は、神社の屋根の両端に交差して突き出た千木の先を、斜めに削いだものをいう。
二句「行き合はぬ間より」は八音の字余りで、片削ぎが交わらずに離れている、そのすき間から、の意である。住吉の神の歌の句をそのまま取っている。
三句「漏る月や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と呼応する。すき間から漏れる月の光が、の意である。
四句「冴えて御袖の」の「冴ゆ」は冷たく冴えわたる意で、「御袖」は神の袖をいう。
結句「霜に置くらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、係助詞「や」を受けて連体形で結び、霜となって置いているのだろうか、と月光を霜に見立てて結ぶ。
かたそぎ:神社の屋根の千木の先を斜めに削いだもの
みそで:神や貴人の袖
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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昼と見ゆる月に明くるを知らましや 時つく鐘の音せざりせば
- 次の歌
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波に宿る月を汀にゆりよせて 鏡にかくる住吉の岸