- 歌の意味
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波に映っている月を、波打ち際へと揺り寄せて、鏡として掛けている住吉の岸であることよ。
- 鑑賞
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秋歌 410
詞書は前の歌に続き「人々住吉に参りて、月をもてあそびけるに」
前歌に続いて、住吉に参詣して月を愛でた折の歌である。沖の波に映っている月を、寄せる波が汀へと揺り寄せてきて、まるで住吉の岸が月を鏡として掛けているようだ、と詠む。波に揺れながら岸辺に映る月を、神前に掛けられた鏡に見立てている。
前歌が社殿に漏れ入る月を詠んだのに対し、この歌は住吉の浜辺の月を詠み、住吉の社と浜とを二首で描き分けている。鏡は神前に掛けるものであり、住吉の神への思いも込められている。
初句「波に宿る」は六音の字余りで、波に映っている、の意である。
二句「月を汀に」の「汀」は、波打ち際をいう。
三句「ゆりよせて」は、揺り動かして寄せて、の意で、寄せる波が月の影を岸辺へと運ぶさまをいう。
四句「鏡にかくる」の「かくる」は「掛く」の連体形で、鏡として掛けている、の意である。
結句「住吉の岸」は体言止めで、摂津国の住吉の浜辺を示して結ぶ。
みぎは:波打ち際
ゆりよす:揺り動かして寄せる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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かたそぎの行き合はぬ間より漏る月や 冴えて御袖の霜に置くらん
- 次の歌
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飽かずのみ都にて見し影よりも 旅こそ月はあはれなりけれ