月はなほ夜な夜なごとに宿るべし
我が結びおく草の庵に
- 歌の意味
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月はやはり、毎夜毎夜、宿ってくれることだろう。旅の途中で私が草を結んでこしらえておく仮の庵に。
- 鑑賞
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秋歌 413
詞書「旅宿思月」
詞書「旅宿思月」は、旅の宿で月を思うことを詠む題である。旅の途中、夜ごとに場所を変えて草を結んで仮の庵をこしらえるが、月はやはり毎夜その庵に変わらず宿ってくれることだろう、と詠む。旅の宿は日ごとに変わっても、月だけはいつも寄り添ってくれる存在であることを表している。
前歌が月を都の形見としたのに対し、この歌は月を旅の道連れとして捉えている。草の庵に宿る月は、本巻の第三百四十八首、第三百六十九首などの庵に漏る月の歌とも通じている。
初句「月はなほ」は、月はやはり、の意である。
二句「夜な夜なごとに」は、毎夜毎夜、の意で、旅の夜ごとをいう。
三句「宿るべし」の「べし」は推量の助動詞で、宿ることだろう、の意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「我が結びおく」は、自分が草を結んでこしらえておく、の意で、旅の仮の宿をいう。
結句「草の庵に」は、草で造った粗末な庵に、の意で、月の宿る場所を倒置で後に示している。
くさのいほり:草で屋根を葺いた粗末な住まい
むすぶ:草などを結んで庵を作る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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見しままに姿も影も変はらねば 月ぞ都の形見なりける
- 次の歌
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波の音を心にかけて明かすかな 苫漏る月の影を友にて