もろともに旅なる空に月も出でて
すめや影のあはれなるらん
- 歌の意味
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私とともに、旅の空に月も出てきて、澄んでいるからだろうか、その光がこれほどしみじみと心にしみるのは。
- 鑑賞
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秋歌 415
詞書「参り着きて、月いと明くてあはれにおえければ」
詞書から、前歌の旅の末に厳島に参り着いて、月がたいそう明るく、しみじみと心にしみたので詠んだ歌であることがわかる。詞書の「おえければ」は「おぼえければ」の意とみられる。私とともに月もまた旅の空に出てきて、そこに澄んでいるからだろうか、その光がこれほどしみじみと心にしみるのは、と詠む。
月を旅をともにする道連れのように捉え、目的地に着いた安堵とともに、月の光のあわれを感じている。前歌で風に足止めされながら月を友とした旅が、この歌で目的地に着いて結ばれている。
初句「もろともに」は、いっしょに、ともに、の意で、自分とともに、の含みをもつ。
二句「旅なる空に」は、旅の途中の空に、旅先の空に、の意である。
三句「月も出でて」は六音の字余りで、月もまた出てきて、の意である。「も」は自分だけでなく月も、の意を表す。
四句「すめや影の」は六音の字余りで、「すめや」は「澄め」に疑問の「や」が付いた形で、澄んでいるからだろうか、の意とみられる。結句の「らん」と呼応する。
結句「あはれなるらん」の「らん」は原因推量の助動詞で、光がしみじみと心にしみるのだろうか、と結んでいる。
もろともに:いっしょに、ともに
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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波の音を心にかけて明かすかな 苫漏る月の影を友にて
- 次の歌
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あはれ知る人見たらばと思ふかな 旅寝の床に宿る月影