- 歌の意味
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横にたなびく雲が風に吹かれて山から離れていく明け方に、山を飛び越えていく初雁の声が聞こえる。
- 鑑賞
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秋歌 420
詞書「朝聞雁」
詞書「朝聞雁」は、朝に雁の声を聞くことを詠む題である。夜明けの空に横にたなびいていた雲が、風に吹かれて山の峰から離れていく明け方に、その山を飛び越えて渡ってくる初雁の声が聞こえる、と詠む。明け方の空の雲の動きと、山を越えてくる雁の声とを取り合わせている。
前歌が船の上で聞く初雁を詠んだのに続き、この歌は山の明け方に聞く初雁を詠み、海と山とで初雁の声を詠み分けている。結句「初雁の声」も前歌と同じである。
初句「横雲の」は、明け方の空に横にたなびく雲の、の意である。
二句「風に別るる」は、風に吹かれて山の峰から離れていく、の意である。
三句「しののめに」は、夜明け方に、の意である。
四句「山飛び越ゆる」は、山を飛び越えて渡ってくる、の意である。
結句「初雁の声」は体言止めで、前歌の結句と同じ句で結んでいる。
しののめ:夜明け方、明け方
よこぐも:明け方の空に横にたなびく雲
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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沖かけて八重の潮路を行く船は ほかにぞ聞きし初雁の声
- 次の歌
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烏羽に書く玉章の心地して 雁鳴き渡る夕闇の空