立ちこむる霧の下にも埋もれて
心晴れせぬ深山辺の里
- 歌の意味
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一面に立ちこめる霧の下にも埋もれてしまって、心が晴れることのない深山のほとりの里である。
- 鑑賞
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秋歌 427
詞書「山家霧」
詞書「山家霧」は、山里の住まいに立ちこめる霧を詠む題である。深山のほとりの里は、一面に立ちこめる霧の下に埋もれて、霧が晴れないのと同じく、心も晴れることがない、と詠む。霧に閉ざされた山里の景と、晴れない心とを重ねている。
結句「深山辺の里」は、本巻の巻頭の第二百五十四首、第三百一首と同じで、ここでは霧に閉ざされた里として詠まれている。初秋の風に秋を知り、時雨に紅葉を思った同じ里が、ここでは霧に埋もれ、心晴れぬ里となっている。
初句「立ちこむる」は、一面に立ちこめる、の意で、二句の「霧」にかかる。
二句「霧の下にも」は、霧の下にも、の意で、「も」は山の奥深さに加えて霧にも、の含みをもつ。
三句「埋もれて」は、すっかり覆われて、の意である。
四句「心晴れせぬ」は、心が晴れることのない、の意で、霧が晴れないことと重ねている。
結句「深山辺の里」は体言止めで、本巻の第二百五十四首、第三百一首と同じ結句で結んでいる。
うづもる:すっかり覆われる、埋もれる
みやまべ:奥深い山のほとり、山の近く
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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名残多き睦言尽きて帰りゆく 人をば霧も立ち隔てけり
- 次の歌
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夜をこめて竹の網戸に立つ霧の 晴ればやがてや明けんとすらん